ある学校のブログ閉鎖

いつも楽しみに読んでいたある学校のブログ。この学校の教育活動は、学校にはちゃんと未来も夢もあることを教えてくれるのだが、そういうものの匂いを嗅いではうれしくなっていた。
今朝、クリックするとプライベートモードになっていて開けない。どうしたものかと思っていたが、どうやら公開を中止したらしい。
学校でブログを使いだしたのは、ブログの歴史自体も浅いためにそう古くはない。率先して進めてきた学校のひとつだけに少々残念だ。どんな経緯があったのかがわからないため、どうにもコメントすらできないが、ブログが教師や子どもたち、学校そのものの表現ツールとしてメリットをたくさんもっているように考えているのだが、その記事のチェック体制や写真による子どもの露出などについていろいろ議論や行き過ぎも出ている場合があるらしい。
学校のホームページは家庭や地域からも関心が高く、その内容が貧弱だとどうも疎まれてしまう傾向さえ出てきており、更新や作成には多くのエネルギーを費やす必要がある。しかし、情報公開の趣旨やまたなかなか描ききれない学校の風景や空気感を伝えるには格好のメディアでもあり、ある学校では学校、学年ごとのブログをもち、全体のアクセスが1日に最低1000件とも聞いている。とかく奇妙なうわさが広がりやすい学校の体質を払拭するためにも、悪意や指導的な表現を極力排除して、学校生活の隙間や日常に見えてくる生き生きとした表情を伝えることにしており、そうした流れはずいぶんと浸透してきたとも聞いている。
しかし、ブログの更新には、現在、例えば、県の機関がそうした更新方法に対応していないためどうしても民間のウェブサービスに頼らざるを得ず、その仕組みが学校の更新の仕組み、とりわけ記述内容のチェックに合っていないこともあり、出てしまった情報をどうするかの問題を常にはらみながら記述者の自制に委ねているという情況がある。*1また、学校で管理するブログの数が多くなるにつれ、各ブログの更新格差が生じてくる。もとあるウェブサイトとの関連もしっかりとした考え方が必要になってくる。どうしても、ある個人の努力で補いきれるものでもなく、学校として、その他の情報公開も含めて情報管理についてのしっかりとした計画が必要になってくるのだろう。
いよいよ何があったのかを知りたいところだが、ある運動会に行ったときに、「○○小学校はホームページに子どもの顔が出ているのにこの学校は全然わからないようにしているのよ」なんて話を聞いた。閲覧者とはそうしたものだ。プライバシー、個人情報などと言っているのに、テレビや新聞には子どもを売り込む。それでも襟を正す必要があるのは、学校の責務であることは疑いようもない。
どのくらいの学校がブログを使っているのか、一度ちゃんと調べてみよう。

*1:T市のウェブの更新は、ブログツールで行うことになったとのこと。そのため、すべてのページがブログ的に作成されている。ホームページ作成ソフトを経由しないやり方で更新の頻度がかなり上がっているようだが、慣れない教員や、ホームページ作成ソフトでせっせとやってきた教員から戸惑いの声が挙がっているとも聞く。