マスオさん講演会

増岡弘さんは、マスオさんやジャムおじさん亀仙人の声を担当する声優さんとして知られ、味噌作りや陶芸、落語家としても知られる。その人の家庭教育の講演会があった。
4年前には、仕事の関係でこの方をお呼びしたのだが、そのときにはそれほどにも感じなかったのだが、今回はときどき涙があふれそうになった。振り返ってみると、そうたいそうなことも話していないし、おそらくそうであろうという想定内の話ばかりである。
では、どうして涙なんか流しそうになったのだろう。
狭い会場、というのか、元々音楽大学の公会堂で音の響きがよく、生の声が真っ直ぐに届いていたのだ。きっとそれだろう。何かに直接伝わり、響き、また、全体に分かち合われた音としてボクに届いたのだ。生の音の持つ力だろう。
数年前、自律神経失調症に苦しんだとき、昔のアンプとプレーヤーを引っぱり出してジャズを聴いた。それがとにかく理由は、何か空気の振動のマッサージ効果とか、あるあるレベルのことを思いつくが、どうしてだかわからないけれど、柔らかく癒され、あれだけ眠れなかったので、処方された薬のせいもあってか、ようやく眠れる夜を送れたという経験がある。
午前中に保育園の子どもたちが使う「お父さん、お母さん、ありがとう」のことばにもらい泣きしたが、案外、意味ではなく響きで共感していたか。「響感」って書くのもいいな。