古本5冊
昨日の送別会は飲まなかった。*1時間がなく、クルマの手配がきかなかった。
それで、10分だけ古本屋に入った。最近、お好みの文庫は高い。かさばる単行本の方が安かったりする。105円のコーナーを物色。すぐに、5冊になった。ボクはこういうことを考えながら本を買う。
- 作者: 糸井重里
- 出版社/メーカー: ネスコ
- 発売日: 1996/11
- メディア: 単行本
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そのスタンスは、どうせみんな見えてるもの違うんだし、という諦念と納得である。
そんなことで拾い読むと、やはり、おもしろい。釣りが蠱惑であることがよくわかる。釣りという媚態にボクらは翻弄されている。
1000馬力のエクスタシー―HONDA F1世界制覇への道 (集英社文庫)
- 作者: 中部博
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1991/03/01
- メディア: 文庫
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青い装丁で見覚えのある人も少なくないはずだ。少年版プロジェクトXのような本で、当時は、エベレストの初登頂などのドキュメントを子ども向きに書いていた。無論、黒部ダムもあった。そういうなかで、ホンダのマン島レース*2やF1への挑戦が描かれ、新聞でみかけた追い上げるジャック・ブラバムをマシンと同化することで交わそうとしたままコントロールラインを通過するジョン・サーティーズのホンダとともに、胸を高鳴らせた。頂点に立ったことよりも、頂点に挑んだことがおもしろかった。ピケやロズベルグの名前が見える。すでにその息子たちがアウトドモーロを駆け抜けている。
- 作者: 吉井妙子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1991/12
- メディア: 単行本
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白いハンカチーフを赤いクレヨンで丸く塗りつぶし、その上にはたどたどしい感じで「中嶋悟」と書かれている。
中嶋の遺伝子が引き継がれて、今サーキットを駆けめぐることに感動しているわけではない。長男が見た何かが彼を今突き立てていること、そうした風景が生き方に影響を与えることに震えてしまう。月並みな物語なら、中嶋の息子はそのハンカチをしのばせコックピットに入るのだろうが、彼はそうは見えない。ボクはボクのためにその旗を振るものの思いを感じて走る。そう言い切りそうな気さえしている。感傷ではなく、そこには研がれた戦いの魂の伝承を見る。
- 作者: 一志治夫
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1994/08
- メディア: 単行本
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もうとっくにカレントの話題ではない。
当時、梅原猛は「脳死」の問題に直面しながら、医学的ではない「脳死」について語っていた。たしか、この脳死調査会では両論併記の意見書が出た記憶がある。ああ、そうだ、巻末についている。希有の思想家が、人の死をどのように考えているのかを、こうして家族や見知らぬ人たちが突発的に高まる感情と行動で亡くなってしまう現実で、もう一度考えておきたいと思った。
軽いものも多いので、2週間くらいで何とか読めるかな。
ボクには本というエネルギーが欠かせない。これは、ずっとずっと小さい頃からそうだったし、これからもそうありたいと思っている。
だけど、本フェチではなく、ことばフェチなので、本をことさら大事にする傾向は、ない。しかし、売りさばくこともできないので、転売価値に乏しい本をうずたかく積み上げることになってしまう。彼女はあきらめているのか、釣り道具と本とスキーだけは許容していただいているらしい。