黒川良安を探ると

人ひとりの歴史、足跡を探るという仕事は、どれほど多くの人を見つめる必要があるのかと、昨日入手した本に書いてあった。
実際、話をいただいたときには、銭屋五兵衛のことまで調べることになるとは思いも寄らなかった。
今最も注目しているのは、佐久間象山である。高島秋帆との関係で彼が大砲の製作まで着手していたらしいことはわかっていたが、どうやら黒川良安につながる牛痘についても佐久間象山からんでいる模様。いや、なかなかおもしろい人物である。
銭五の伝説もおもしろい。タスマニアの1/3を領していたとか、ロシアや樺太との貿易。加賀藩や幕府とのつながりなど、ドラマになる要素をたっぷりと秘めている。彼の疑獄に科学的な目で冷静な判断をした黒川良安の近代的な思想のあり方がいよいよ際立ってくるから不思議なものだ。
昨日、石川県立図書館に行って来たが、実は、金沢市立図書館に多くの資料があることがわかってきた。不勉強である。いずれにせよ、金沢大学医学部記念館とともに、平日に訪ねる必要がある。少々散財もあるが、勉強はおもしろい。