ホテル国富翠泉閣

少し足を伸ばして姫川温泉まで。いや、平岩と言った方がすんなりと位置が見える。かつて宝生スキー場のあった場所だ。蓮華温泉への玄関口でもある。
平成7年の大出水は、この旅館を飲み込んだ。宿泊客を未明の山中で発電所用の通路を使って避難させるという、まさにプロジェクトXものの脱出劇があったという。平成10年に再建された建物はリゾート風のたたずまいで、何もないのをかえって売りにする場所にはふさわしい落ち着き。あたりは川の音、風のささやきしか聞こえない。先週のとちの湯のBGMとやらに辟易したので、いよいよ落ち着く。
貸し切り露天風呂にしようと思ったが、宿泊客へのサービスということで、いつものお風呂へ。豊かなお湯をかけ流しにする贅沢な温泉。飾り気のない大浴場も、空に開ける露天風呂も、お湯の質がよいだけにどこまでも気持ちよい。
ゆっくりと溶け込んで堪能。

帰り道、しきりに若い人が川を覗いているのでいよいよ釣りブームかと思ったら、大糸線のレトロ列車が走っていった。