瀧口修造

仕事の関係で瀧口修造について読み込む機会があった。大きな影響をいただいた人である。
7月1日は命日だということで、オリーブが好きだったことにちなみ橄欖(かんらん)忌と呼び、生地である富山で催しがあるという。彼が基本的なコンセプト作りに参加した富山県立近代美術館を見ることなく亡くなったそうだ。開館当時さんざんからかわれた近代芸術も、今ではその先見性に頭が下がる。後発の21世紀美術館があれだけ好き勝手しているのを見ると、20数年前に富山県立近代美術館を支持できなかった県民性と、前知事の遺産のように考え疎ましくとまでは言わないまでも、その価値を磨ききれなかった文化行政には不満がある。せっかくバブルでお金を使えた時代だったのに。ただ、地域にこだわらないグローバルな価値を目指した館と、地元の土着的な美術界の間で何かあったんだろうな。
田舎貴族とは言わないけれど、お上よりも代官の方が厄介なのは今でも同じである。
ちょうど、いくつかの書籍があったが、しっかり再評価しておかないといけない人物である。今回はそういう企画。ボクは左幸子の担当だ。これがまた、資料が、ない。