高熱隧道

高熱隧道 (新潮文庫)

高熱隧道 (新潮文庫)

よく知っていたのに読んでいなかった部類の本。
黒部峡谷の開発の歴史で欠かすことのできない奥地での隧道工事に題を取った小説。史実をもとにしているだけに、凄みがある。一気に読み通してしまった。
開発って何だろう、人の力って何だろう。
誇りとか、栄誉とか、金とか、命とか死とか、自然とか。
特に、自然とは酷いものだと、そうつぶやかずにはいられない。
今なら出来ない工事をなぜ当時できたのか。
そう考えると切ない。