大道引退

昨年の日本選手権で、おそらく今後も何回も映像が流されるだろうという執念のライト前ヒットを打った大道が引退した。たぶん、そうだろうとみんなが思っていたし、その花道に再びの日本選手権をという思いは多くの人が共有していたはずだ。
9月23日に東京ドームで大道の打席を見た。まだ、巨人に優勝の可能性が残っていたゲームだが、2点ビハインドの8回(記憶は定かではない。1点差の7回かも知れない)、大道が代打に出てきた。東京ドームの大歓声は多くの人々が大道が何に賭けてきたのかを、その思いに監督がどう応えようとしてるのかをよく示していた。
塁上のランナーが返れば、おそらくゲームの趨勢は巨人に再び傾くという場面、大道は粘った。追い込まれてからの見逃し、ファウルでとにかく粘る。しかし、甘く入った球を捉えきれない。その様子が後ろ姿にありありと見える。最後は少し高いストレートを真後ろへの捕邪飛。それも舞い上がるわけでもなく。打者としては、屈辱。
その大道に4万の観衆は賛辞の拍手を送る。
ゲームは、消化試合にめっぽう強い村田のホームランの追加点が出て、横浜のものに。この1敗が数日後の横浜スタジアムでの1敗とともに決定的な敗退につながることになる。
ゲーム後、雨の東京ドームで「大道見られて良かった」と話す人々の多かったこと。ボクも何とか間に合った。この日に招いてくれた釣りビジョンに感謝である。