年越しそば

恒例の年越しそば。今年は、倉庫をひとつやめちゃったので、妻の実家の納屋で打たせてもらう。昨日から7キログラム。たくさん打ったが、なかなか満足できない。
昨日は、毎年いただく水内のおそば。少し褐色がかったそば。地粉の味わいがいい。こちらは、内二で小麦粉つなぎ。二八そばってやつだ。重ね切りを稽古するがなかなかうまくいかない。そろわないんだ。包丁が一番修行いらずとかいうんだけど、なかなか上達しない。50人前をこしらえて、用向きに使う。端とか、切れ端を集めてまた玉にして打ってみた。これがなかなかしんどい。こういうもので職人は修行するというから、蕎麦屋ってのはたいしたものだ。
今日は、丸いもを使った。加賀野菜である。黒部市でも生産しているということで、いくつかいただいた。1個2000円超。なかなか高価なものだ。山芋と同じ感じで使ってみる。草の子で手配してもらったそば粉に丸いもを加えて、あとは少し加水。もし、加水しないで使うとすると、1個で1キログラムの粉。そうすると、原価でも10人前で4000円になってしまう。1人前1000円では商売にならないな。それであんまり普及しないんだな。丸いもは、加賀の上用饅頭に使われるものだそうだ。さくっとして風味のあるそばになったような気はするんだけれど、どうだろう。
曾祖母から受け継いだもの、というには、ボクのそばはどうにも格好付けしいな感じがするなあ。もっと素朴で率直なそばに。そういう反省をそばにしてみたわけだ。用向きに使ったものには「不器用なそば」と書いた。不細工、不調法、不格好などと思いついたが、「不器用」ってのがいいかなと思った。それもまた、少々あざといか。
2010年が暮れる。