飯綱町

飯綱町牟礼ってところに、いい桜があるというので見に行った。
途中、よこ亭という蕎麦屋があったので入ってみる。十割のお店だが、地元のおばちゃんそばの装い。こういう店は期待がもてる。高台にあるんだけれど、志賀の山々が見渡せ、谷間の町がまるで「スイスの山村」のようと書いて自慢してあった。別にスイスである必要もないけれど、小京都みたいな響きが好きだからなあ、我が国は。かつて「野菊のごとき君なりき」を撮影した場所らしくて、それも自慢していたが、映画好きにしかわかるまい。そうでなくても十分に美しいのに、どこかの誰かに認められたというお墨付きをありがたがる傾向はいよいよだな。


そばは細打ちでなかなかスムーズでうまい。十割の乾麺を売っていて、これはなかなかだった。そうないんだよ、十割の乾麺は。
頼んだのはおしぼり。つけだれもいっしょに出てきたが、おろし汁というだけで辛くないので、どうにも困ってしまった。同行は、鶏そばというのにしていたが、温かい汁を鍋にかけて、お椀にすくって食べる。そばしゃぶみたいな感じで、どうも工夫がしくじっている好例。そばはうまいのになあ。卵までついて、出汁はほぼ柳川。困ったモノだが。人柄でいただいた。


どうやら季節がそこそこ早かったのか、桜はまだつぼみ前。オオヤマザクラシダレザクラもだめ。そこで、梅のいいところがあるというので訪ねたが、それも早かった。丹霞郷(たんかきょう)というそうだ。景観はすこぶるよく、咲いていたらすごそうだが、景色だけを味わった。それでも、飯綱と黒姫が美しい。春の山は好きだなあ。

飯綱リゾートのところにミズバショウが咲いているというので訪ねてみる。これはヒット。おびただしい量のミズバショウがちょうど花を付けたばかり。

風が冷たいので、そのままむれ温泉天狗の館へ。ここは低温泉。特に特徴はないが、さっぱりした感じがする。北投石が湯口にあって、それはどういうものかと思ったが、林檎が浮かべられたお湯はなかなかよい香り。しかし、飯綱山の景観が何よりである。
信濃町で一茶記念館を訪ねる。勉強にはなるんだが、一茶というのはすごい人だったんだよみたいなノリがどうもあまり好きになれない。博物館はそんなものか。民俗資料にあったテレマークの写真がとても印象的だった。

こういうの。3人というのがいいね。黒姫はけっこう遅くなってリフトがかけられたけれど、実は、スキー場自体はかなり早くに開けている。
山々の残雪を見ると、スキー場ってのは惨いよね。山肌を削り取っていることがよくわかる。
帰りにどこか蕎麦屋に寄ろうということで、若月に行くが休み。信濃屋も休み。中郷まで行って、無双も、何だっけ、父が好きだったえーと、忘れたけれど、そこも休み。ちょっとそばには恵まれなかったかな。