治部煮

金沢の名物料理のひとつに治部煮がある。多くは、平仮名で「じぶ」と書いてある。肉を片栗粉をまぶして少し甘く煮てあるもので、薬味のわさびがまた実によい引き立て役になっている。
じぶじぶと音をたてて煮るからその名前があるとのことだが、いろんなお店の看板を見ていたら、フランス料理のジビエが訛ったと書いてあった。賛成。そうかも知れない。いや、そのように思いたい。*1
適当に入った店で、じぶ煮丼をいただいた。金時草だのおつけものだの、加賀の伝統料理を生かした味わいだそうで、やけにいろいろ説明があるなあと思ったら、何とか言う有名な料理研究家のお店だそうで、おじさん、おばさんがいっぱい。
相席のおばさんコンビが、
「テレビで見てきたんですよお」
などとのたまって、そのうちに、次男の嫁が持ってきた長男の結婚祝いが1万円しか入っていなかったとか言い出したので、必死で聞かないようにしていたが、努力むなしく、かように記憶してしまった。鶏肉のじぶを頼んでおきながら、「これって鴨ですかね」などと言っておられた。困った。そこまで憶えていた。
おいしそうな豆大福ときんつば*2を買って、銭屋五兵衛記念館へ向かう。金沢はそこら中にうまそうなものがあっていいなあ。

*1:コメントにもあるが、治部少将が好んだのでという説もある。

*2:好物